授業や部活動でうまく指導できないと落ち込んでしまいます。
教え方のどこが悪いのかわからず、さらに悩んでしまうこともしばしばです。
教え方に悩んだときにおすすめなのが「上手な教え方の教科書ー入門インストラクショナルデザイン」です。
10年以上教えることを仕事にしてきた私が教え方の理論をわかりやすく学べた1冊です。
理論を学べたことで、指導がうまくいかなくても悩んだり、焦ったりすることがなくなりました。
本書で学べることと教え方の理論を学ぶメリットを解説します。
達成しようとする学習成果ごとに適した教え方がある
本書で学べるのは達成しようとする学習成果ごとに適した教え方があるということです。
教え方を研究するインストラクショナルデザインでは、学習成果を次の3つに分類しています。
- 運動技能
- 認知技能
- 態度
これらそれぞれに適切な教え方があります。
本書ではその教え方について学ぶことができます。
理論があればうまくいかない原因を見つけられる
私は教え方に理論があることが重要だと考えます。
なぜなら理論があればうまくいかない原因を見つけられるからです。
授業や部活動でうまく指導できなかったときに、なぜうまくいかなかったのか理解できないことが多々あります。
なんでわかんないんだろう?
説明のどこが悪かったんだろう?
という悩みを抱えたまま、次の指導をしなければならなくなります。
教え方の理論があれば自分の指導に何が足りなかったのかを振り返ることができます。
自分に不足していることがわかれば改善できるという点で、理論があることが重要だと考えます。
さまざまなインストラクション
運動技能のインストラクション
運動技能のインストラクションとは、たとえば次のようなことです。
- 子どもが跳び箱を跳べるように教える
- パソコンの初心者にタッチタイピングを教える
- 筆ペンで形の良い字を書けるように指導する
運動技能のインストラクションで重要なのは、スモールステップの原則と即時フィードバックです。
スモールステップの原則は、簡単な動作から始めて徐々に難易度を上げて練習することです。
練習中は即時フィードバックを行います。
身に付けさせたい行動が起こったらすぐに褒めたりその行動を認めたりします。
そうすることで学び手にその行動を続けさせ、やがて習得させることができます。
認知技能のインストラクション
認知技能とは、
読んだり、書いたり、計算したり、〔……〕、判断したり、評価したりする技能
のことです。
認知技能のインストラクションで重要なのは、記憶と思考のしくみを理解することです。
記憶のしくみを知ることでスムーズに物事を覚えさせることができます。
思考のしくみを理解することで、学び手のミスの原因を見つけることができ、正しい方法を教えられます。
態度のインストラクション
私が本書で最も勉強になったのが態度のインストラクションです。
「望ましい態度ってどうやって教えたらいいんだろう・・・」という悩みを本書で解決することができました。
態度のインストラクションで重要なのは次の2点です。
- コミュニティの存在
- コミュニティのメンバーとして経験を重ねる
まずコミュニティが必要です。
態度とは特定のコミュニティの価値体系です。そのためコミュニティがないと態度を教えることはできません。
次にコミュニティのメンバーとして経験を重ねることが大切です。
教え手が「学校をきれいにしたい」という態度を身につけさせるために、学び手に対して「ゴミを拾ってください」と命令することはできます。
しかし学び手が自発的にゴミ拾いを行わなければ、「学校をきれいにしたい」態度を獲得したとは言えません。
態度を学ぶとは、学び手がコミュニティのメンバーとしての経験を積み、自分はそのコミュニティでどうあるべきかを自覚することなのです。
まとめ:教え方の理論を知って指導の悩みを解決する
達成しようとする学習成果ごとに適した教え方があります。
インストラクショナルデザインを学ぶことで、運動技能、認知技能、態度それぞれの適切な教え方を学ぶことができます。
もし指導がうまくいかなくても、教え方の理論があればその原因を見つけることができます。
原因がわかれば改善することができます。
教え方の理論を身につければ、教えるのがうまくいかなくても悩まなくてよくなります。
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